「ヴァイオリンは語る~アン・アキコ・マイヤース」
みなさんご存じでしょうが、私はヴァイオリンを習っております。就職と同時に始めましたのでもう丸3年になりますが、まだまだノコギリ状態です。
その割にはいわゆるヴァイオリン曲に対する私の知識は微々たるものでして、(実はクラッシック全般に対してそうなのですが)よく聴く曲の名前がわからない、よく知ってるけれどもどんな曲か知らない、なんてのはしょっちゅうです。う~ん、我ながら情けない。曲だけでなく、演奏家にも全く同じことがあてはまります。
ところでその私が自信をもって「この人はすごい!!」とお薦めしたいのがこの方、アン・アキコ・マイヤース。1970年アメリカ生まれのこの女性の演奏を初めて聴いた(CDですが)のは2年半ほど前のことですが、背筋がゾクゾクッとしました。(何て月並な表現)。曲目はフランクのヴァイオリン・ソナタ。曲自体もすごいんですが、CDから聴こえる音がこんなに圧倒的なことってあるんだろうか、ってな具合で、「演奏者によってCDを買う」という、クラッシック・ファンの人には当たり前の、私にとっては初めてのことをしてしまいました。メンデルスゾーンの協奏曲だったのですが、やはりすごい。彼女の演奏会を聴きに行った、という友達に言わせると、「魔女みたいなすごい人」だそうです。(ちなみにこの友達、ヴァイオリンに関しては全くの素人です。)
「何がどうすごいんだか、全くわからん」という声があがりそうですが、知りたい人はCDを買いましょう(おいおい)。
音楽がおそろしいほどの説得力をもち得る、ということの良い例だと思うのです。仮にも音楽という媒体を通しての表現をする側の一員になっているからには、その責任を常にどこかで感じていなければ...などというと、かっこつけすぎのような気もしますが、「自分が楽しけりゃいい」という以上のものを音楽って持ってるんじゃないかな、と思っています。何かを、曲に語らせることができればいいな。合唱でも、ヴァイオリンでも。