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「これを聴けば思い出す たかぽん編」

Ten.:ほうしやま たかゆき


 私が合唱をしていたのは高校の時の2年間だけなので、演奏した曲はあまり多く有りません。その中から特に印象に残る曲について書いてみます。

 高校2年の時のNHKコンクールでした。合唱部の顧問をしていた川辺甲子郎先生が、今年限りで北須磨高校を去られるということで、先生自身が選ばれたのが「オロロン鳥(混声合唱組曲「海鳥の詩」より)」です。当時の合唱部は、部員24名のうち男声が私も含めて4名しかいなく、文化祭やコンクールには、決まって、先生が音楽の授業を通じてピックアップしていた人達に、応援に来てもらわなければならないという状況でした。応援の人達は他の部との掛け持ちのため、全員が揃うのも本番の直前ぐらいになってからですし、充分に音を取ることができないために「音取りテープ(そのパートの音だけを録音したテープ)」なるものを作成して、それを聴いて覚えてもらい、後は横で唱っている先輩の声を聴いて覚えていくといったことにしていました。普通なら、こんな状況ではいい演奏はできないのですが、この時のコンクールは、川辺先生が最後だということもあり、「何とか想い出に残るいい演奏をしたい」と合唱部のメンバーであるないに関わらず、みんな必死で練習していました。コンクール当日、明石市民会館のステージでこの「オロロン鳥」を唱っていると、今までの合唱部での出来事が走馬灯のように想い出されてきて、さらに先輩がたが抜けると、男声も2人になってしまうこともあり、「私も、もうこれで終わりかなぁ」と感じると涙が自然にでてきました。結果は銅賞に終わり、次に進むことは出来ませんでしたが、自分では金賞を与えてもいい演奏だったと思っています。

 それから8年後、私は再びボイスフィールドにて合唱に参加することになりました。(正直言って、男声が多かったのには驚いています)メンバーのそれぞれが胸に抱いている合唱への想いは、一人一人違うとは思いますが、1つの目標に向かって、私も頑張っていきたいと思います。

 いつか、あの時の「オロロン鳥」をもう一度、唱いたいです。

 ♪ オロロン オロロン と鳴けば
           岩も ものいわぬ岩も答える
                       オロロン と答える...