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「初めて歌った合唱曲」

Ten.:堀端 洋一


 あれを聴けば、と言われても何かピンと来ないんです。

 確かに音楽に携わって長いのですし(今年合唱生活20周年)沢山の曲を演奏してきたのですが、それぞれの曲になんらかの思い入れがあり、突出したものがなく、要するに全ての曲が「あれを聴けば」に該当するのかもしれません。と言う訳で初めて歌った合唱曲について書くことにします。

 20年前、私は大阪の普通の公立高校に入学しましたが、器械体操一筋の私にとって、当時音楽は全く眼中にありませんでした。しかし芸術を音楽、美術、書道の中から選択しなければなりませんでした、そこで絵も字も全くだめな私は、軽い気持ちで音楽を選択しました。ところが最初の音楽の時間、私に渡されたのはモーツァルトの「レクイエム」の楽譜でした、初めて見るラテン語で、全く何が書いてあるのか解りませんでした。しかも、音楽を選択したと言うだけで、何と毎日昼練があるのです!

 後悔しても後の祭りで、仕方なしに続けていると、次第に自分の声が変わってきた(変声期じゃないよ。)様な気がして、又、モツレクの美しい旋律が大好きになりました。そしてほぼ1年経った2月、茨木市民会館で、400名の合唱と、70名のブラスバンドで、ほぼ全曲を演奏しました。歌い終えた後の感慨は言うまでもありません。

 翌年は「メサイア」でした。合唱部分の4分の3はやったと思います、それと恐ろしい事に、ソロをやったのです。これでもう音楽から離れることは出来なくなりました。やっぱり世の中成り行きですね、芦屋に転勤してきたのも偶然、Voiにでくわしたのも偶然です。運命の流れに逆らわずがんばります、Voi万歳!