「小学四年生の頃・・・」
小学校4年生の昼休み。
仲良しだった永井君が、ピアニカで必死に何かを弾いていました。
♪ミ ミ ミ ド ミ ソ
弾くというより、音を探すという感じ。たどたどしい音が少しずつこなれてくると、浮かび上がってきたのは、当時、日本中を席巻していた「スーパーマリオブラザーズ」の冒頭テーマ。
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気づいたクラスメイトが集まって来て永井君を囃し立てます。「もう一回!」「もう一回!」
すると、「他の音も弾いたら、もっとマリオになるのでは?」と川辺君。自分のピアニカで試しはじめ、彼の見つけ出した音がファ♯。
永井君が先の ミ ミ ミ の下にファ♯ をいれて弾いたその瞬間、クラス全体が大歓声に包まれました。そのときの川辺君の得意げな顔、笑いすぎて弾けなくなった永井君、そして最高潮に達した4年4組みんなの大興奮。。。 今でもはっきり思い出すことが出来ます。
たった1小節。だけど僕にとっては衝撃の1小節。
それは、僕がはっきりと、「音楽って遊べるんだ!」と気付いた瞬間。僕が音楽の庭に飛び出た瞬間でした。
小さいときからイヤイヤ弾かされていたピアノ。それはブルグミュラーやツェルニーを弾くためにあると思っていたのに、おもちゃの一つになり得たなんて!!
それから僕は、音楽室でクラスメイトのリクエストにこたえる形で、ピアノを使ってたくさん遊ぶようになりました。ファミコン音楽や流行歌はもちろん、CMソングや電車の発車音まで色々アレンジして。
中学生の時にTMネットワークを聴きたい女子と、ドリフターズ髭ダンスをリクエストしてきた男子が言い争いになったときには、なんだかとっても嬉しかったなぁ…
結局、僕は音楽が楽しくなって大好きになって、いつの間にかそれが生活の中心に。
永井君と川辺君、元気にしてるかなぁ。今の僕が幸せなのは君たちのお蔭かも。ありがとう。