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しんがぽレポートその2

(「Voice of ぼいす」第8号より)
J れいこ


登場人物(と、持参したコンピュータ機器)の説明

Jれいこ:
この一行の紅一点。といっても仕事場で男性に囲まれているせいか最近言動が女性らしくない。
自社製ノートパソコンHinoteUltra持参。
所河さん:
Jれいこと同期の東京のいんたねっとエンジニア。Powerbook(Macのノートパソコン)持参。英文科卒なので英語は大丈夫。
眞起さん:
名字は渡辺さん。Jれいこより3つほど上の東京のエンジニア。名前に反して男性。Powerbookとデジタルカメラ持参。
社内でちょっと 有名なUnixエンジニア。
小林さん:
眞起さんと同期のやはり社内で有名ないんたねっとエンジニア。ちょっとビルゲイツに似ている、とわたしはおもう。
やはりPowerbookとデジタルカメラ持参。
染谷さん:
10年選手のシニアエンジニア。妻子持ち。機器持参はなし。「みんな若いねぇ」と何度もいわれた。

 研修がお休みの土曜日、皆で観光に行くことになりました。しかし小林さんは風邪でダウン。4人で、「タイガーバームガーデン」(現在の正式名称はハウパーヴィラ)を目指して出発しました。さて、MRTの駅を降りてバス停に向かうあいだで、染谷さんが中国系のおじさんに話しかけられます。いわく、「ハウパーヴィラの割引入場券があるんだけど買わないか?」一見あやしげな中国系のおじさん。「ほら、ここに有効期限も書いてあるでしょ?今年の6月まで有効。普通のチケットを買うと16ドルのところを、これなら14ドル。」なんと普通の入場券も1枚持っていて、それと件の割引券をならべて説明してくれるのです。何とわかりやすい営業。胸のバッジ(名刺をフォルダに入れたもの)を指差して、「ほら、わたし旅行代理店のものです。」...ホントかなぁ。いつのまにか所河さんは向こうのベンチで地元のひとのように他人の振りを決め込んで座っている。眞起さんとわたしはちょっと興味をそそられているが、染谷さんは「けっこうです」の一点張り。おじさんは、こんなことまで言い出した。「もし信用しないんなら、とりあえずこれ持っていってよ。どうせまたこの駅に帰ってくるんだから、お金はその時でいいよ。」おじさんあきらめません。私達3人は顔を見合わせます。「じゃさ」と眞起さん、「賭けやってみません? 私がこれ買いますから、みんなはあとで払ってくれたらいいですよ。」と染谷さんに提案。おもしろい展開になってきたぞ。「いいですよ。そうしましょう。」眞起さんはおじさんから4枚の入場券を買いました。おじさん、喜んで曰く「浮いたお金でタクシー乗れるよ。タクシーで4ドルくらいだから。」
 それでも入場券がニセモノだった時のことを考えてバスに乗りました。バスを降りると、いきなり超大型のドラゴンのオブジェがお出迎え。ゲートで、眞起さんがいよいよさっきの入場券を差し出します。「通れるかなぁ...」というわたしたちのドキドキをよそにあっけなく通過。眞起さん「さあ、15ドルずつ、払ってもらおうか。」
 ハウパーヴィラは、タイガーバームを製造販売して巨万の富を得た許兄弟が作ったテーマパークです。(だからタイガーバームガーデンともいう。)ここでは、中国の伝説をオブジェやアトラクションで表現しています。巨大な竜、中華街にありそうな大きな赤い門、丸々と太った姿の菩薩像、ここのシンボルでもあるトラとヒョウ、よくわからないけれども動物の人形で表現された寓話、古典の時間に習った「桃園の誓い」の人形と文章...。ジリジリ照り付ける日差しの中、極彩色のキッチュなオブジェはとてもシュールで、ここでしか味わえないような妙味があります。すもうとりの人形があったり(これは日本とシンガポールの友好の証らしい)、なぜかダチョウに蛙やカメが乗っていたり、3メートルはありそうな巨大なお面があったり、いきなり人魚の噴水があったり...結構めちゃめちゃな並びかたです。
 アトラクションは、地獄巡りと、急流すべりを体験しました。地獄巡りは血の池地獄、剣の山、舌を抜かれるようすなど、おなじみの地獄の沙汰の場面を人形で表現しています。一つ一つの場面はそんなに大きくはないのですが、「このような悪事をはたらくと、このような沙汰が待ち受けている」と、各コーナーに事細かに説明書きがついています。cheating in the examination -テストでズルをすると、胴体をまっぷたつに切られるそうです。学生の皆さん心しておくように。社会人の皆さん、being lazy(なまける)は、重い岩ではさまれるそうですよ。最後には輪廻転生の説明と絵図。中国人の死生感がうかがわれます。
 つぎは急流下り。1周で2回急流があるおトクなものです。といっても、アトラクションは基本的に無料なので、何周してもいいのです。3周している親子連れもいました。わたしたちは2人ずつに分かれて片方は写真班として待機。まず所河さんとわたしが乗りに行きました。係員は一人だけで、いすもふいてくれないし、つかまるところは少ないし、何もかもがアバウトで、妙にスリルがあります。水しぶきもかなり大きくて、戻ってきたときにはビチャビチャにぬれていました。
 タイガーバームガーデンだけあって、売店ではタイガーバームも販売していました。街中ではあまりみかけない、虫刺されなどに効くという透明の小ビンに入った薬もありました。
 ハウパーヴィラを出て、駅に戻ると、さっきの中国系のおじさんが向こうでニコニコして手を振っていたので、こっちもニコニコして手を振りました。でも今考えると、やっぱりあやしい。あの券、いったいどこから流れてきたんだろう。
 この日はそのあと、バードパークという鳥の動物園にも行きました。ぺんぎん達や熱帯雨林の鳥たちと対面できてしあわせなJれいこでした。